sewi - 弱喰論
FTPS-45

2,200円(税200円)

前作「冤 -en」より、約3年振りとなる、初のフルレングスアルバムが「弱喰論」完成。2016年作。
結成15年目にして放たれる今作は、ツインドラムツインベースの重厚なリズムトラックをベースに、コンダクター/詩人であるreiji kawanoの煩悩や諸悪、ネガティブな心境、生活苦といった、等身大というには痛みが過ぎるリリック、またその心象を汲み取り多様に変化し包括するギターが重なり、聴く者の耳に突き刺さる。90s以降のエモ・ポストロック、ハードコア、ジャズ、ファンクを素直に享受したサウンドは、前作でも激情ヒップホップなどと称された。ジャンルに傾倒せず、音楽に敬愛を込め、人間にフォーカスを当てた今作は、歌詞というよりは私小説、ラップというよりはスポークンワードといった具合に、前人未踏で当然、歪でいて心の琴線に間違いなく触れる痛みのアルバムといえるだろう。

【リリースによせて】
僕がsewiを知ったのは、たしか19歳ごろ。新宿motionあたりのブッキングで来てたので知り、ユニオンでdemoを買った。まあ理解できない音楽だったし、同い年のやばい奴がいるって感じぐらいだった。その後、山梨のbirthやa picture of herの紹介でsakiloという6バンドでの共同企画で出会った。あの頃から僕はsewiというかカワノレイジが好きだったけど、その音楽は理解できる楽曲では無かったし、共感できる言葉も少なかった。俺たちは嫌われてきたし、脆い人間関係や上下関係を気にしながらも常に壊してきた。誰が好き好んで聴く?そんな言葉さえも耳にした。本質は変わってはいない。俺たちぐらいのメンヘラになると、出勤前にsewiを聴こうとは思わない。もっぱら爽やかでポップな音楽だ。sewiの音楽は「聴く」とは何か違う。どちらかというと、「知る」だ。心に余裕を持てる時に向き合う音楽と言葉。
そこから得られるものは、決してかっこいいサウンドだけではなくて、人間の感情を揺さぶる、ドラマティックを感じれるはずだと思う。sewiをきっかけに俺は色々日本語ラップも聴いた。だもんで個人的には狐火が好き。人間の弱い部分を凄く共感しやすい表現でストレートに伝えてくれる。その反面、人間の弱い部分を、よりプライド高く、強いメンタルを装い表現するのがsewiだ。不器用過ぎて伝わりやすい言葉からは遠回りをして、よりシリアスな世界観。音楽はギャンブルと一緒だ。あとちょっと音楽を続ければ目が出る、そんな風に思い続け五年十年経った。思い描いていたものとは違うから、御託を並べながら理想や憧れが変わってきたと言い訳をし、他人を蹴落とす。あと少しだけ信じて欲しい。CDを置いてもらう事にも難航している。どうやらsewiの過去の作品が売れていないかららしい。これが本当に悔しい。30歳近くなってバンドを長く続けているのは良くないことだ、と業界から言われたような感覚だ。昔と変わった、変わってない、良くなった、別物だ、だのも言い飽きた。とにかく弱蝕論を買って、ライブを観て欲しい。初回特典で付くCD-R、「分の先」も個人的には大好きな曲だからお早めに。それをお願いや説得をするのもきつい。興味があれば買ってくれ、としかもはや言いようがない。金がないのなら、相談して欲しい。俺たちも金がないから共感できるだろう。