SaToA - Trees / 手紙 (7')

1,430円(税130円)

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SaToA(サトア)は東京で活動する3人組のギター・ポップ・バンドである。メンバーは以下のとおり。

さちこ(ギター/ヴォーカル)
ともこ(ベース/ヴォーカル)
あみ(ドラム/ヴォーカル)

さちこ、ともこは姉妹、あみはともこの同級生。上のクレジットからもわかるように、メンバー全員がメイン・ヴォーカルである。それぞれの声色が見事に異なった魅力を持っており、その意味で60年代のキュートなガールズ・ポップ・グループが、現行のインディ・ギター・バンドに乗り移ったようでもある。ちょっと類似のバンドを探すのが難しいトリオだ。

結成は昨年と、まだキャリアはわずか。だが、2014年の秋にサウンドクラウドで発表した3曲が、静かな話題を呼び、池袋オルグの閉店イベント 〈オルグスター感謝祭〉に錚々たる綿々と並んで出演。驚くことにこの日が初ライヴだったという。以降、〈キリキリヴィラ〉のコンピレーション・パーティやピーチ・ケリ・ポップの来日公演など、話題のイベントへの参加を経験。6月24日には、渋谷wwwでの吉田ヨウヘイgroupのサード・アルバム・リリース・ツアー初日へ、NOT WONKとともに出演が決定し、さらにその名を知らしめることとなった。なお、この7インチはその日に先行発売されることがアナウンスされている。

今作がバンドにとって初となるパッケージでのリリース。Aサイドに収録されたのは、以前からアップロードされていた"ツリーズ"。全てメンバーの手による宅録であったサウンドクラウド・ヴァージョンと違い、今回はミツメや吉田ヨウヘイgroupなどのエンジニアで知られる馬場友美によるスタジオ録音。さらに、中村宗一郎によるマスタリングが施され、音色の柔らかさ、サウンドの力強さともに破格に増した新録となっている。それにしても、この曲の胸を焦がす眩さといったらどうだろう。 甘苦いギター、小気味いいビート。凛とした美しさを貫くメロディに、随所で繰り出されるシャウトが一気にキュートさを加えている。今バージョンから追加されたギター・ソロ時のトゥトゥトゥ・コーラスも堪らない。たとえばミツメの"クラゲ"、シャムキャッツの"渚"。数年に一度だけ現れるそれらインディ・ギター・アンセムの2015年版がこの曲となるはずだ。

そして、Bサイドには音源としては今回が初お披露目となる"手紙"を収録。現在の彼女たちのレパートリーのなかでも、もっともパンキッシュな勢いを持ったこの曲は、ライヴでも最初ないし最後に演奏されることの多いキラーなナンバーだ。キラッキラのエレキ・ギターと、テンポよくもちゃんと後ろのビートを感じさせるドラミング、そして、その間を練り歩くベースライン。最初期のストーン・ローゼスがヴァセリンズとドリーム・タッグを組んだかのような、屈指のインディ・ロックンロールとなっている。まさに7インチで聴きたい1曲と言えよう。

今のライヴを見る限り、ドゥワップ的なコーラスを持ったソウル・ポップや、よりグルーヴィに寄ったインディ・ダンスなど、SaToAはこの2曲ではまだ見極めれない程、多くの引き出しを持ったバンドだと想像できる。すでに完成していると噂のデビュー・ミニ・アルバムも待ち切れないが、まずはこのアナログ盤が必携だろう。ともすれば10年後、20年後、このレコードを持っていることが自慢となる1作となるかもしれない。「SaToAの最初の7インチ、わたし持ってるわよ」ってね。